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 閣僚の辞任が相次ぐフランスで3日、新たにマクロン大統領の最側近の一人で政権ナンバー2だったコロン内相が辞任した。仏南東部のリヨン市長への転身を理由としたが、マクロン氏の政権運営に不満も漏らしていた。8月末以降に辞めた閣僚は3人となり、政権の支持率も約3割に落ち込んでいる。

 コロン氏は2日の仏フィガロ紙のインタビュー(電子版)で、内相を辞任して2017年まで16年間務めたリヨン市長を再び目指す考えを表明。一方で、9月には別の仏メディアに「マクロン氏は孤立しかねない」とも語っており、「何でも一人で決める」とメディアから指摘されてきたマクロン氏の政治手法に対する不満が引き金になった可能性もある。

 コロン氏は治安や不法移民対策といった重要課題を担う内閣の重鎮。マクロン氏を大統領選当時から支え、17年5月の大統領就任式では感極まって落涙するほど近い関係だった。

 マクロン政権では8月末、脱原発などを唱える環境活動家の環境相が、政権とのすれ違いを理由に辞任。その直後にも、税務処理をめぐる疑惑を報じられた元五輪金メダリストのスポーツ相が内閣を去った。いずれも清新さを狙った目玉人事だったこともあり、政権発足当初66%だったマクロン氏の支持率は、9月には31%に落ち込んだ。

 来年5月の欧州議会選も黄信号がともる。同選挙の投票先を尋ねた9月の世論調査では、与党「共和国前進」(21・5%)がトップだったものの、マリーヌ・ルペン氏率いる右翼政党「国民連合」(旧国民戦線)が21%で背後に迫る。

 マクロン氏は外交では存在感を発揮しているだけに、ハンガリーのオルバン首相やイタリアのサルビーニ副首相など、「反移民」を訴える政権が欧州で力を増しているのを逆手に、自らを「進歩主義者」と位置づけ、排外主義と対決する構図を強調して失地回復を狙っている。

 パリ政治学院教授のパスカル・ペリノー氏は「支持率低下は、新しいと思われてきたマクロン氏の政治が実は平凡だったとみなされ始めたためだ。閣僚の不祥事や民間登用の閣僚辞任で、国民は『伝統的な政治とさして変わらない』と感じている」とみる。(パリ=疋田多揚)