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 9月6日未明に発生した胆振東部地震と大停電は、人工透析を使う患者に大きな影響をもたらした。札幌市透析医会によると、6日夕方時点で人工透析施設がある札幌市内の約80施設中、自家発電で透析可能だったのは約30施設で、多くの施設が患者の引受先探しに追われた。北海道透析医会と札幌市透析医会などは9月中旬から、道内270の医療機関に当時の状況を尋ねる調査を始めた。

 石狩市の診療所「はまなす医院」では5日に台風の影響で停電し、予定していた30人が透析を受けられなかった。翌日の6日は未明に地震があり、停電。心不全や致死性不整脈になる可能性があったため、工藤立史(りっし)院長(43)が移送先を探した。札幌市の病院で2回に分けて受け入れ可能となり、午後10時半まで、患者を送り迎えして対応した。

 一方、工藤さんの兄の岳秋(たけあき)さん(45)が院長を務める札幌市内の診療所では停電が7日夜まで続いた。透析が予定日より1日過ぎた通院の62歳男性の呼吸が苦しくなったため、石狩の工藤さんの医院に7日に救急搬送、そのまま入院した。さらに岳秋さんの診療所の他の患者95人は工藤さんの医院で深夜までかかって数十人ずつ透析を受けた。

 非常用電源は入院患者用にのみ備えていた。岳秋さんは「大事に至らなくて良かったが、受け入れ先を医療施設の力だけで探すのは難しい。2千万円以上かけて透析室用の非常用電源を2つの診療所に入れようか、考えている」と話す。

 東日本大震災でも受け入れ先がなく医師や患者らが奔走した。札幌市透析医会の戸沢修平会長(76)は「すべての医療施設が非常用電源を備えるのはコストがかかり現実的ではない。調査で課題を抽出し、災害時には電源車を拠点病院に運ぶというような対策にいかしたい」と話している。

 

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(青木美希)