[PR]

 医師や看護師を乗せて救急出動する石川県のドクターヘリが3日、初めて出動した。運んだのは中能登町でけがをした重傷患者。ヘリがなければ現場から県立中央病院(金沢市)か金沢医科大病院(内灘町)に車で約40分かけて搬送するケースだったというが、今回は通報から現場での治療開始まで33分だった。

 県地域医療推進室などによると、同日午後2時56分、「庭木を剪定(せんてい)していた男性が電動ノコで手を切った」と七尾鹿島消防本部に119番通報があり、救急隊員が中能登町の現場で同3時4分にドクターヘリ出動を要請。25分後、県立中央病院を出発したヘリが60代の男性患者が搬送されていた中能登町運動公園に到着し、同乗した医師が治療を始めた。その後、ヘリは患者を乗せて同4時4分に県立中央病院に着いた。

 患者は右手のひらや左前腕を切る大けがを負っていたが、命に別条はないという。県地域医療推進室の寺西義行次長は「大量出血をしており、一分一秒でも早い方が救命につながる。着陸時の消防との連携や患者の引き継ぎ、搬送など一連の流れは運用通りよくできた」と話す。

 県のドクターヘリは9月24日に運航が始まり、日中は県立中央病院の屋上で待機。要請を受けて、学校の校庭や公園など県内に560カ所ある患者引き継ぎ地点に向かう。能登半島沖の舳倉(へぐら)島も含めて県内全域を片道40分でカバー。30日にも出動要請があったが、台風接近で天候が悪く出動できなかったという。(伊藤稔)