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 もし父親から母乳が出たら――そんな発想の小説を発表した作家の山崎ナオコーラさん。授乳や育児をめぐる男女の役割を問い直す内容で、記者(31)も育休中に何度も読み、身につまされました。8月には乳児用液体ミルクの国内での製造・販売が解禁されましたが、地震の被災地に送られた液体ミルクが利用されないなど、安全性への不安感も根強いようです。なぜなのか。山崎さんに聞きました。

 ――小説「父乳(ふにゅう)の夢」をちょうど育休中に読み、育児をめぐる様々な思い込みに気づかされました。小説の着想はどこから?

 2016年2月に出産し、母乳育児中に書きました。授乳中に子どもと私が密着する様子を眺めていた夫を見て、悔しいんだろうな、とも想像したのが入り口です。

 粉ミルクも使っていて、夫が作る途中に私をチラチラ見る視線を感じたり、「(温度が)40度だ!」などブツブツ大きな独り言を言ったりしていました。手間がかかっている姿を私に見せ、評価してもらいたがっているのでは、と思ったのもきっかけになりました。

 ――夫が育児で妻の評価を得たがってしまう?

 相手ではなく評価する人をみる心理です。子どものためにやることなのに、世の「イクメン」は妻へアピールする方を向いていないでしょうか。妻をサービスの相手や上司として見ているのです。

〈小説「父乳の夢」あらすじ〉 コンサルタントの妻と派遣システムエンジニアの夫に子どもが生まれ、妻の母乳が出なくなった頃、夫の「父乳」が出始める。仕事に早く復帰したい妻にかわって夫が育児に専念。「完全父乳育児」をしていたが、やがてその父乳も出なくなり……。(「すばる」2017年3月号所収)

 育児を評価してもらいたいとい…

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