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 がん治療薬「オプジーボ」は使うのをやめても、肺がん患者の免疫を高める効果が20週間以上続くとする研究結果を、大阪大の小山正平助教(呼吸器・免疫内科学)らのチームがまとめた。米臨床医学会誌に4日、発表した。

 オプジーボは、1日にノーベル医学生理学賞の受賞が決まった、本庶佑(ほんじょたすく)京都大特別教授の研究をもとに開発された点滴薬。使用期間は定められておらず、現場の医療機関にゆだねられている。高額な医療費負担が問題になっているが、こうした研究が積み重なることで、将来的に中止期間を設けられる可能性もある。

 オプジーボは、がん細胞を直接攻撃するのではなく、人に備わる免疫の働きを促す。「T細胞」と呼ばれる免疫細胞の表面に複数あるブレーキ役の分子にくっつき、この分子にかかわる働きを妨げることで、がん細胞への攻撃力を高め、効果があらわれる。

 チームは、この分子にオプジーボがくっついている様子を調べる方法を開発。くっつき方には、この分子すべてがふさがる「完全結合」、一部だけがふさがる「部分結合」があった。

 この方法を使い、副作用などが原因でオプジーボの使用をやめた肺がん患者8人の血液を定期的に採って調べた。すると、最も短い患者でも、完全結合の状態が20週間続いていることがわかった。

 小山さんは「使用をやめても、治療効果が長期間続く可能性がある」と話す。一方、使用をやめても効果が続くので、やめた後の副作用を通常より長く観察する必要がある、としている。

 論文はこのサイトで公開されている。https://insight.jci.org/articles/view/59125別ウインドウで開きます(鍛治信太郎)