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 東芝は5日、元子会社で6月に独立した東芝メモリからの補償請求に応じ、約4200万ドル(約48億円)を支払うと発表した。請求を受けた理由は明らかにしていないが、関係者によると、独立前に台湾の半導体メーカー、旺宏電子(マクロニクス)から起こされていた特許侵害訴訟の和解に伴う費用。損失として2018年7~9月期に計上する予定だ。

 東芝は、東芝メモリ株を米ファンドのベインキャピタルが主導する「日米韓連合」に売り、現在の議決権は約4割にとどまる。売却前からの訴訟などで東芝メモリに損失が生じた場合、東芝が最大500億円を補償する契約も結んでおり、今回の支払いはこれに基づく。

 台湾のマクロニクスは、米国際貿易委員会にも東芝側の特許侵害を訴えている。東芝はさらなる補償を求められる可能性もある。

 東芝は、東芝メモリの売却益を得たため、19年3月期通期の純利益は1兆円を超す見通し。ただ、経営危機をしのぐための昨年末の増資で大株主に迎えた海外ファンド勢から、巨額の株主還元を求められている。収益源だった東芝メモリを手放したことで、稼ぐ力も激減。補償の支払額がふくらめば、経営再建の足かせになる可能性がある。