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 西日本豪雨の被災地で、仮設住宅や民間の住宅などを借り上げた「みなし仮設住宅」、公営住宅への入居が進んでいる。しかし東日本大震災や熊本地震などでは、慣れた自宅を離れることで孤立し、被災者が孤独死する例も相次いだ。その教訓から、各自治体が見守り活動に力を入れている。

 「出かけるところがないけえね。運動しに行ったらどうかと思うんですよ」

 広島県熊野町の「地域支え合いセンター」職員で社会福祉士の尾浜あかねさん(31)は1日、町内の県営住宅を訪れ、被災者の男性(79)に語りかけた。

 地域のリハビリ体操教室のチラシを見せ、「まずは健康づくりと仲間づくり。私もついて行きますから」。男性は「一緒なら、安心じゃ」と笑った。

 センターは、被災者の心のケアを含む健康管理、生活相談、孤立を防ぐためのコミュニティーづくりなどを一体的に支援しようと、県が呼びかけてできた。

 男性の自宅は、土石流で12人が亡くなった住宅団地「大原ハイツ」にある。隣町の同県呉市で食品販売業を営んできたが、6年前にたたみ、引っ越してきた。息子が3年前に入院してからは1人で暮らしていた。

 自宅に被害はなかったが、避難所で約40日間暮らし、8月上旬から県営住宅へ移った。知人はおらず、こもりがちだ。「近所の人との何げないあいさつが、どれだけ大切な機会やったか……」。寂しさが募る。

 熊野町内に10カ所あった避難所には、多い時で約1300人が身を寄せた。9月6日までにすべて閉鎖され、仮設住宅や親類宅などへ移った。翌7日に開設された支え合いセンターでは、町職員12人が兼務しながら、169世帯441人(10月1日現在)を手分けして訪問。月内には全世帯の訪問を目指している。

 尾浜さんは、避難所にいた時から「息子とまた一緒に暮らしたい」とこぼす男性を気に掛けてきた。たびたび訪ね、健康状態や生活状況を聞き取っている。

 今月10日には、大原ハイツの半分ほどの範囲に出続けてきた避難指示が解除される見込みだが、男性は「熊野は安住の地なんじゃ。でも災害で、近所の人はみんないなくなるかねえ」と不安がる。尾浜さんは「息子さんと話し合って決めたらええんです。元気でおらんといけんよ」と励ました。「そう言ってくれるあなたがいて、良かった」。男性に笑顔が戻った。

 広島県によると同様のセンターは東広島市や三原市、坂町など3市3町にも開かれ、呉市や尾道市など5市でも予定されている。

 豪雨で関連死を含め12人が亡…

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