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 東アジア歴訪中のポンペオ米国務長官は6日、最初の訪問国である日本に到着し、首相官邸で安倍晋三首相と会談した。ポンペオ氏は会談で、7日の自身の訪朝をめぐり、「我々は拉致問題を提起する」と述べた。安倍政権が最重要課題とする拉致問題を、北朝鮮に働きかけていく姿勢を改めて強調した。

 ポンペオ氏の訪日には、北朝鮮への圧力路線を重視する日本と意見調整を行い、2回目の米朝首脳会談を前に日本から信頼を取りつける狙いがある。ポンペオ氏は安倍氏との会談で、「我々は完全に一致した見解を持つ」と指摘。北朝鮮の核・ミサイル問題について意見のすり合わせを行った後、河野太郎外相とも外務省で会談した。

 2回目の米朝首脳会談をめぐり、日本政府内では、北朝鮮が非核化の「見返り」として求めている朝鮮戦争の終戦宣言について、「時期尚早」との懸念が高まっている。宣言に応じるかどうかトランプ米大統領の言動は見通せず、ある外務省幹部は「米国が宣言の発出に踏み切る事態もあり得る」と警戒する。

 日本が終戦宣言に慎重なのは、宣言が日本の安全保障に直結するからだ。宣言が出れば、在韓米軍が縮小に向かって東アジアにおける米軍の存在感が低下し、日本の防衛力強化が必要になる事態も考えられる。ポンペオ氏との会談後、河野外相は記者団に「終戦宣言をどうこうという話ではない」と述べ、改めて「時期尚早」との認識を示した。

 ポンペオ氏は訪日に先立ち、経由地の米アラスカ州アンカレジで5日、記者団に対し、今回の訪朝で、2回目の米朝首脳会談の大まかな開催時期と場所が決まる可能性があるとの見通しを示した。ポンペオ氏は「開催の時期と場所の選択肢について協議を進める」と語った。北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談も予定している。(清宮涼、鬼原民幸、園田耕司)