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 ことしのノーベル経済学賞を、米イェール大のウィリアム・ノードハウス教授(77)と、米ニューヨーク大のポール・ローマー教授(62)に贈る、とスウェーデン王立科学アカデミーが8日発表した。長期的なマクロ経済の分析に気候変動や技術革新の要素を組み入れ、経済成長との関係を調べる手法をつくったことが評価された。

 ノードハウス氏は、環境政策が二酸化炭素の排出量に与える影響を分析するモデルなどを構築し、気候変動と経済成長の関係を研究。気候変動の対策をめぐる国際的な議論にも影響を与えた。二酸化炭素の排出量に応じて課税する「炭素税」の導入も提唱した。

 ローマー氏は、企業などでの技術革新が経済成長を促す「内生的成長理論」の確立に貢献。研究開発(R&D)を促す政策づくりなどの議論に影響を与えた。世界銀行のチーフエコノミストを務めたこともある。

 両氏は受賞発表後、それぞれの大学で記者会見をした。ノードハウス氏は「(二酸化炭素を減らすうえで)炭素税は最も実用的な方法だ。適切に導入されれば最も効果があるものになる」と述べた。ローマー氏は日本経済について尋ねられ、「長期的には(経済の)成長の見通しは、技術水準を引き上げたり新しいアイデアを採り入れたりしていくことで決まる」と指摘し、投資の重要性を強調した。(ロンドン=寺西和男)

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 ウィリアム・ノードハウス氏 1941年、米国生まれ。67年、米マサチューセッツ工科大博士号取得。73年から米イェール大教授。

 ポール・ローマー氏 1955年、米国生まれ。83年、米シカゴ大博士号取得。2011年からニューヨーク大教授。