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 フィギュアスケート男子のバンクーバー五輪銅メダリスト高橋大輔(32)が勝負のリンクに帰ってきた。兵庫県尼崎市で8日まであった近畿選手権は3位。フリーの滑走で転倒するなどミスが続いた。中学時代から高橋を指導する長光歌子コーチは復帰戦をどう見たのか。演技終了後に語ってくれた。

 長光コーチは笑いながら話し始めた。「本当に、ちょっと、私の想像以上にボロボロでしたね」。7日のショートプログラム(SP)は大きな崩れはなかったが、翌日のフリーは、ジャンプで回転不足が重なり、スピンもレベルを取りこぼすなど散々な結果に終わった。「短い間にワッとやっているので、色々なハプニングがあった。SPとフリーを2日続けてそろえるまでの練習には至っていない」

 ただ、長光コーチは高橋の変化を感じている。スケートに取り組む姿勢を見て、「4年前の彼より今の方が非常にモチベーションが高い。前はモチベーションを引っ張り上げるのに体力を使いましたけど、今回は全くない。これが4年前だったら、と思うくらい」。高橋が「4回転ジャンプも含めてやっていきたい」と話したことについて、長光コーチは「全ての状況がそろったら、絶対にできると思います。どういう風に練習を足したり、引いたりすればいいのか手探り。(西日本選手権は)ちょっと難しいかもしれないけど、状況を見ながら」。以前、つま先をついた際に捻挫をした影響があり、4回転ジャンプはトーループを回避して、フリップやサルコーにトライしていく方針だという。

 4年前に現役を引退する時、長光コーチは「体が曲を奏でている。スポーツと芸術の融合を見せてくれた選手」と高橋を評した。だからこそ、今の高橋に寄せる期待も大きい。「練習の時も状況がそろえば素晴らしいスケートを見せてくれる。4回転とかなんとかというよりも、『フィギュアスケートってこういう良さがある』っていうのを見せてほしい。大輔の一番いい状況のものを、皆さんに見てもらいたい」

 約1カ月後の西日本選手権でどんな姿を見せてくれるのか、注目だ。(大西史恭