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 大学進学からプロへ。吉田輝星の気持ちを変えたのは負けん気の強さだった。

 「周りの選手を見たときにプロの世界で勝負したいと思った」と記者会見で語った。高校日本代表として出場した9月のU18(18歳以下)アジア選手権は高校トップの逸材が集う。その中で、「負けん気」はむくむくふくれあがった。

 取材中の私が大阪桐蔭のエース柿木蓮のガッチリとした太ももを褒めたことがあった。「もっと鍛えて太くしますよ」と柿木。すると、横にいた吉田が割って入った。「いや、俺の方が大きくするし」。柿木が笑ってかわしたのは、吉田の野球に対するアツさを認めているからだろう。

 もちろん野球への情熱も負けていなかった。メンバーは毎日、野球ノートを書いた。吉田は、帽子のつばの文字で有名になった達筆で、根尾昂(あきら)(大阪桐蔭)らから聞いた技術論や自分のコンディションを、手書きの図付きで、ぎっしり書き込んでいた。

 2度、敗戦投手を経験し、「もう1回、日の丸を背負って勝てる投手になりたい」と目標もできた。

 大会後や国体後、報道陣からは進路に関する質問が相次いだ。吉田は具体的な思いを語らなかった。大学進学を一度は固めていただけに、自身の進路に関わってくれた関係者に配慮したのだろう。そんな気遣いができるのも、魅力の一つだ。

 甲子園の決勝で対戦し、代表でともに戦った根尾や柿木は一足先に、プロ志望届を出した。野球で誰にも負けたくない吉田が、プロを目指すのは必然だった。(小俣勇貴

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