原爆を開発した「マンハッタン計画」で出た核のごみが、米ミズーリ州の処分場に普通のごみと一緒に埋められている。専用施設に移すことがようやく決まったが、周辺では健康被害が相次いでいる。

マンハッタン計画とは
第2次大戦中の1940年代初頭、ルーズベルト米大統領の命令で極秘に進められた原爆開発計画。名前は事務所がニューヨークに置かれたことに由来する。約13万人を動員。45年7月に初の原爆実験に成功した。

 セントルイスの玄関口ランバート国際空港から車で10分ほど。ごみが埋め立てられた小高い丘にシートがかぶせられ、トラックがひっきりなしに出入りしている。敷地を囲むフェンスに「注意 制限区域」の黄色い放射能標識を掲げ、大気測定装置も備える。ここウェストレーク処分場には、マンハッタン計画で出た放射性の硫酸バリウム8700トンが埋められている。

8年前から消えない地下火災

 生ごみのようなすえた臭いと化学的な臭いが混じって鼻をつく。隣接する別の処分場で起きている地下火災が原因だ。8年前に発覚したが消すすべはなく、10年続くと言われる。

 近くに住む主婦のカレン・ニッケルさん(55)は「目が焼けるように痛くなり、頭痛がする」。4人の子どもを育ててきた。「火が放射性物質に燃え移らないか」。2013年、ニッケルさんは処分場問題を追及する団体「ジャスト・マムズSTL」を設立した。

 第2次大戦中、セントルイスの民間企業がマンハッタン計画の一部を担い、ウランを精製した。この施設から出た放射性廃棄物は空港隣の保管場所にドラム缶で野積みされた。1960年代末に、ある企業に買い取られ、73年、ウェストレークに「一般ごみ」として違法に埋められた。原子力規制委員会の調査で、放射性物質があると分かったが、健康には影響がないと放置されていた。

 ニッケルさんと活動する主婦ドーン・チャップマンさん(38)は「計画は最高機密。ここで生まれ育ったのに、原爆製造でこの街が果たした役割を多くの人は知らなかった」。

核ごみが野積みされていた保管場所そばを水源とする小川流域でも、健康被害が出ています。10年前に引っ越してきた男性は「放射能との関係は分からないが、この辺はがん患者だらけだ」。住民訴訟が相次ぐ地域を記者が訪ねました。

■核ごみ、ようやく専用…

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