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 韓国は11日、南部の済州島(チェジュド)で文在寅(ムンジェイン)大統領らが出席し、国際観艦式を開いた。自衛艦旗(旭日〈きょくじつ〉旗)の掲揚自粛を求められた海上自衛隊の護衛艦は参加を見送った。日韓は防衛交流を続ける方針だが、影響は避けられない見通しだ。

 文氏は観艦式で、「海は我々の生命線だ。海洋強国は韓国の未来。海軍をさらに強化する」と語った。海自の不参加については触れなかった。

 韓国はシーレーン防衛を念頭に、周辺海域へ進出できる大洋艦隊の編成を急いできた。海上自衛隊がイージス艦や大型輸送艦を導入する度に、同じ装備を整えてきた。韓国の元国会議員は「自衛隊が持っているといえば、国会で予算が通りやすかった」と語る。防衛交流によっても海自の戦術や技術を学んできた。

 日韓関係筋によれば、韓国海軍は過去、自衛隊の機雷掃海訓練を視察したほか、P3C哨戒機による自衛隊の対潜水艦戦術にも強い関心を示したという。韓国海軍が9月に進水式を行った3千トン級の新型潜水艦を建造する際も、自衛隊に対し、非公式に建造技術や運用に関する情報提供を求めたという。

 韓国軍は北朝鮮軍の潜水艦を探知する能力が弱いとされ、海上テロやゲリラ攻撃などへの懸念も根強い。韓国政府内には、2016年11月に締結した日韓の「軍事情報包括保護協定」(GSOMIA〈ジーソミア〉)に基づき、日韓の新たな防衛協力に期待が高まっていた。

 ただ、旭日旗掲揚の自粛要請で、海自艦の韓国寄港が実現する見通しが立たなくなった。日韓関係筋の一人は「当面は形式的な交流が続くだろう」と語った。(ソウル=牧野愛博)