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 旧優生保護法をめぐり、熊本地裁で10日に初めて開かれた弁論。国に損害賠償を求めた原告の渡辺数美さん(73)は、法廷で思いを語った。車いすに乗った障害者も駆けつけ、訴えに耳を澄ました。

 10代で精巣を摘出され、医師からホルモンバランスの崩れを指摘されている渡辺さんは、股関節などが人工関節になっている。代理人の弁護士に脇を支えられながら裁判長の前に座り、半生をつづった陳述書を読み上げた。

 中学時代に、トイレで同級生と自分の性器の違いに気付き、母親から「優生保護法の手術をしたから、他の子とは違う」と聞かされた。ショックから反抗し、「こんな体なら生まれてこなければ良かった」と母親を責めた。その母親は亡くなる前、「せめて睾丸(こうがん)1個だけでも残しておくようにお医者さんにお願いすれば良かった」とつぶやいた。自分を責めていたことを知った。「後悔しています。『悲しい思いをさせてすまなかった』と謝りたい」。渡辺さんは時折、涙で言葉を詰まらせた。

 結婚を考えた相手もいたが、子…

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