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 環境省中部地方環境事務所などは12日、国の天然記念物で絶滅危惧種の淡水魚「イタセンパラ」を木曽川に試験放流したと発表した。密漁を防止するため放流場所は非公開だが、10月上旬に木曽川の岐阜県側で、約80匹を放流した。国による木曽川での放流は初めてという。

 イタセンパラは、河川の流れの緩やかな場所に生息するタナゴの仲間。全国でも岐阜、愛知両県の木曽川水系と琵琶湖淀川水系、富山平野の限られた地域にのみ生息する。生息環境の悪化や密漁などの影響で激減しているという。

 絶滅を回避しようと、同事務所や国土交通省中部地方整備局が昨年、岐阜、愛知両県や地元自治体、大学教授らと「木曽川水系イタセンパラ保護協議会」を設置し、木曽川での放流の是非などを検討。ほかの地域でイタセンパラが数年で激減して絶滅した例などを参考に、木曽川での放流を決めたという。

 放流したイタセンパラは、世界淡水魚園水族館「アクア・トトぎふ」や名古屋市東山動植物園、碧南市碧南海浜水族館、岐阜県水産研究所の4カ所で人工増殖した、木曽川産のもの。協議会は今後、卵や稚魚がみられるかなどのモニタリング調査に取り組み、放流の効果を調べるという。(板倉吉延)