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 奈良市の東大寺で15日、「大仏さま秋の祭り」があった。天平15(743)年10月15日に聖武天皇が「大仏造立の詔(みことのり)」を発したことを記念し、境内で法要や能の披露などがあった。

 午前10時、僧らの行列が大仏殿に入って法要が始まった。細川護熙(もりひろ)元首相が寺に奉納したびょうぶの目録を読み上げ、同寺の狹川宗玄(さがわそうげん)長老に手渡したほか、僧らの読経や合唱の披露、献茶などがあった。

 びょうぶには、華厳経の教えを要約した「白文華厳経唯心偈(はくぶんけごんきょうゆいしんげ)」が墨染めの紙に白い文字で記されている。祭りの間、大仏殿に飾られ、夫と2人で参拝した奈良市の佐野隆子(りゅうこ)さん(72)は「味があってやわらかい字。あたたかい感じがします」。

 午後には、境内の鏡池に設けられた舞台で能の奉納もあった。観世流能楽師の山中雅志さんらが能「通小町(かよいこまち)」などを披露した。埼玉県久喜市から友人と旅行で訪れた浅香久美子さん(58)は「人の情念が、美しい所作や音楽で表現されていて感激しました」と話していた。(照井琢見)