【動画】積水ハウスが土地購入代金をだまし取られたとされる旅館跡地=熊倉隆広撮影
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 大手住宅メーカーの積水ハウス(大阪市北区)が約63億円を支払った東京都内の土地取引で、警視庁は16日、偽造した書類を使ってこの土地の登記を変更しようとしたとして、東京都足立区、職業不詳羽毛田正美(はけたまさみ)容疑者(63)ら数人を偽造有印私文書行使と電磁的公正証書原本不実記録未遂の疑いで逮捕した。計12人の逮捕状を取っており、順次、逮捕する方針。捜査関係者への取材でわかった。

 同庁は、羽毛田容疑者らが土地所有者になりすまして業者から代金をだまし取る「地面師」グループだったとみて調べる。主導役の一人とみているカミンスカス操(みさお)容疑者(58)は先週、海外に逃亡しており、行方を捜査している。

 捜査関係者によると、逮捕容疑は、共謀して昨年6月1日、東京都品川区西五反田2丁目の旅館の跡地約2千平方メートルを所有する女性(当時72)になりすまし、所有者の名義を女性から別の不動産会社に変更する登記をするため、偽造の委任状を東京法務局品川出張所に提出したというもの。

 積水ハウスは分譲マンション用地として土地の取得を計画し、同年4月24日、都内の不動産会社を通じて所有者になりすました女と約70億円の売買契約を締結。同日に手付金約14億円、6月1日には女らが同社から分譲マンションを購入するとして相殺された約7億5千万円を除く約49億円を代金として支払った。警視庁は、女が羽毛田容疑者とみている。

 積水ハウスは6月9日に所有権移転の登記申請をしたが書類が偽造されていたため法務局に却下され、土地は取得できなかった。土地は現在、女性の親族が相続している。

 同社はこの土地取引で約55億5千万円の特別損失を計上。当時会長の和田勇氏(77)と、取引に関わった当時社長の阿部俊則・現会長(66)が対立し、和田氏は今年1月の取締役会で事実上、会長を解任された。