囲碁と将棋の名人戦 似ているようで違う、儀式あれこれ

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村上耕司
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 囲碁と将棋の両方の名人戦を取材していると、ちょっとした違和感を感じることがある。現在行われている第43期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)は持ち時間が各8時間の2日制で、1日目の夜に中断し、2日目の朝に再開される。その再開の「儀式」が囲碁と将棋で若干違うのだ。

 15日朝から甲府市の常磐ホテルで行われている第5局は16日朝に再開した。午前9時、立会人の王銘琬(おうめいえん)九段が「時間になりました。お願いします」と告げると両対局者は碁笥(ごけ)のふたを開け、無言で一手ずつ1日目の手順を打ち始めた。その様子を王九段と記録係が見守る。98手まで並べ終えるのにかかった時間はおよそ5分。そこで王九段が封じ手用紙の入った封筒にはさみを入れ、中身を取り出す。「封じ手は11の六」と読み上げ、その手を井山名人が打って、午前9時6分に対局が再開された。

 これらの「儀式」自体はおおむね将棋と同じ流れだ。ただ将棋は定刻の数分前に前日の手順を並べ、封じ手も定刻前に開けられる。たまに1日目の手数が長いと9時以降にずれ込むことがあるものの、だいたいは9時ちょうどに再開される。両名人戦の対局規定にはともに「対局開始は第一日、第二日とも午前九時とする」とある。定刻を数分過ぎてから再開される囲碁の慣習に、将棋に慣れてきた筆者は当初とまどった。

■将棋は足し算、囲碁は引き算…

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