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 名人から絶妙手が繰り出されたその時、囲碁AI(人工知能)は着手の意味を理解できず暴走した。井山裕太名人(29)に張栩(ちょうう)九段(38)が挑戦する第43期囲碁名人戦七番勝負第5局(主催・朝日新聞社、協賛・株式会社 明治、マニフレックス)は、戦いが終息したと思われた終盤になって、劣勢の名人の勝負手をきっかけに誰も想像できない大変化が次から次に起き、まれに見る激闘となった。

 これまでの4局は序盤から布石そっちのけの接触戦が目立ったが、本局は両者とも手堅く手を進めて終盤を迎え、双方の陣地の境界線を定めるヨセに入ると思われた。2人の戦いにしては地味な進行で、控室の検討陣は心なしか静かだった。

 対局2日目の16日午後3時過ぎ。実利で挑戦者に先行されていた名人が動いた。右辺で仕掛けたコウに勝ったものの、代償に実利を上積みされた。もう陣地の広さの勝負では勝てない。どこかでパンチを入れて、相手の白石をごっそり取らなければならない。名人はその一発にかけた。

 それが図1。盤上、△の白の二つの一団が心もとないが、検討陣はどちらも殺されるほど弱くなく、名人の狙いは不発に終わると見ていた。検討をサポートするAIが示す挑戦者の勝率も90%近くを示していた。

 午後4時12分、すでに持ち時間8時間の大半を使い切り、秒読みに入っていた名人が199手目を▲に打った。

 「これ、どうなの? ダメでし…

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