岡口裁判官を最高裁が戒告処分 SNS発信での懲戒は初
ツイッターで裁判の当事者の感情を傷つけたとして懲戒を申し立てられた東京高裁の岡口基一裁判官(52)に対する「分限裁判」で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は17日、岡口氏を戒告処分とした。ツイッターに投稿した内容が、裁判所法が定める「品位を辱める行状」にあたると判断した。SNSでの発信を理由に裁判官が懲戒処分を受けるのは初めて。
最高裁の裁判官15人のうち、高裁長官時代に岡口氏を厳重注意した戸倉三郎裁判官をのぞく14人が審理に参加した。全員が一致で「戒告が相当」だと判断した。
問題とされたのは5月のツイート。岡口氏は拾われた犬の所有権が元の飼い主と拾った人のどちらにあるかが争われた裁判をめぐり、「公園に放置された犬を保護したら、元の飼い主が名乗り出て『返して下さい』 え?あなた?この犬を捨てたんでしょ?3か月も放置しながら」などと投稿した。
高裁は「揶揄(やゆ)するような表現で当事者を一方的に批判し、傷つけた」と判断し、7月に最高裁に懲戒を申し立てた。岡口氏は9月に開かれた分限裁判の審問手続きで「懲戒権を発動すれば表現の自由を侵害し、裁判官の独立をも脅かす」と反論していた。
岡口氏は実名でツイートする珍しい裁判官として知られ、判例など司法関連の話題を積極的に投稿してきた。一方で過去に2度、高裁から投稿内容を注意されていた。(岡本玄)
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