拡大する写真・図版 アフガニスタンの首都カブールで2017年5月に150人超が死亡した爆破テロの現場。破壊された建物には下院選の候補者の横断幕が掲げられていた=2018年10月16日、乗京真知撮影

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 引きちぎられた選挙ポスターが砂ぼこりとともに風に舞っていた。アフガニスタンの首都カブール南西部にある少数派のイスラム教シーア派居住区。同国では3年以上延期されていた下院選が20日に投票されるが、地区に住むサイード・アラウィさん(55)は「破れたポスターは住民の怒りの表れだ」と言い捨てた。

 地区では4月、有権者登録所で、同国でも活動する過激派組織「イスラム国」(IS)による自爆テロが起きた。政府が推し進める選挙を妨害しているISや反政府勢力タリバーンの攻撃の一つで、向かいに住んでいたサイードさんの末息子ラシッドさん(15)ら62人が死亡した。

 サイードさんの親族ら約200人は投票に行かないと決めた。市民の命を犠牲にしても選挙に踏み切る政府への憤りがぬぐえない。

 西隣の2軒を訪ねると、いずれも玄関先にテロに巻き込まれた家族の遺影があった。8月に弟(18)を失った兄カリクさん(32)は「紛争の犠牲は遠い戦場だけでなく、目の前で日常に起きている」と語った。

 国連によると、選挙妨害の攻撃が続いた今年1~9月の民間人の死者は2798人、負傷者は5252人。国土の4割強は武装勢力の支配下か戦闘地域で投票所が置けない所も多い。選挙管理委員会は投票所約2万カ所の4分の1で襲撃の恐れがあるとみる。

 2001年の米同時多発テロを受けた米国主導の攻撃でタリバーン政権が崩壊。アフガニスタンは復興の道を歩み始めた。だが、05年ごろからタリバーンが息を吹き返して治安が悪化。日本が計6千億円超を拠出するなど国際社会は膨大な支援をつぎ込んだが、近年は中東でのIS対策や難民問題に関心が移った。

 来年には大統領選が予定される。先細りする援助をつなぎとめるため、8年ぶりの下院選実施という成果を示したい。そんな思惑でアフガン政府は選挙に突き進む。

■選管事務所は閉まっ…

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