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 高血圧の治療に使う薬がパーキンソン病に効く可能性があることを、慶応大と製薬大手エーザイのグループが突き止めた。ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って病気の状態を再現することで確かめた。研究論文が18日、米科学誌ステム・セル・リポーツに掲載された。

 パーキンソン病はドーパミンという物質を作る脳内の神経細胞が減り、手足が震えたり、体が動かしにくくなったりする難病。国内に16万人の患者がいるとされるが、根本的な治療薬はない。

 岡野栄之教授らのグループは、タイプが異なる遺伝性のパーキンソン病の患者2人の細胞からiPS細胞を作り、病気の状態を再現。1165種の薬を試したところ、高血圧の治療に使われている既存薬のベニジピン塩酸塩で、神経細胞が死ぬのを防ぐ効果があることを確認したという。

 同大によると、パーキンソン病の患者の約9割は突発的に発症する「孤発性」。様々な要因が関係するため、発症の仕組みを解明することは難しい。遺伝性のパーキンソン病で、発症の仕組みや治療薬の候補が見つかれば、孤発性の治療法の開発にもつながる可能性があるという。(戸田政考)