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 木造で高層ビルを建設できないか、と経済界が動き始めている。防火基準があって容易ではないが、林業や地方の振興につながるとみて、真剣に取り組んでいる。

 「中高層木造建築および内装木質化における民間需要の喚起に向けて」と題したシンポジウムが22日、東京都内であった。地方創生や国産材の用途を広げようと経済同友会が開いた。小林喜光代表幹事はあいさつで「経済人の視点で考えたい」と述べ、ビルや施設の建設を発注する企業側に木材の利用を呼びかけた。登壇者も「木造は『(強度が)弱い』、『(価格が)高い』という誤解を解きたい」と訴えた。

 木造の高層ビルでは、住友林業が今年2月、骨組みとなる構造体の9割に木を使う70階建て高さ350メートルの高層ビル計画を打ち上げている。経済同友会も3月、「日本の中高層ビルを木造建築に!」と題した提言を公表。建築基準法など防火に関する法制度の見直しを求め、シンポジウムではその実現に向けて話し合った。

 会では、林野庁の牧元幸司長官が「日本の林業は今、V字回復している」と講演し、国産材の利用率などが向上していることを強調。経済同友会地方創生委員会の地下誠二・委員長(日本政策投資銀行常務執行役員)も「木造は案外、丈夫で地震に強い。思ったほど高くない。経済界の人も知らないと」と語った。高知県の尾崎正直知事も、環境面での利点や、自治体でブロック塀を木造に変える動きなどを報告し、住宅以外に用途を広げていくことを確認した。

 経済同友会は今後もシンポジウムを続け、木造高層ビルの可能性を社会に訴えていく考えだ。(加藤裕則)