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 江雪(こうせつ)左文字や太閤左文字(いずれも国宝)など名刀ぞろいの「小松コレクション」が寄託されている広島県福山市西町2丁目のふくやま美術館で11日から、筑前(現・福岡県)の刀工・左文字とその流れをくむ名刀を一堂に集めた特別展が始まる。12月9日まで。

 同美術館によると、左文字は鎌倉時代末期から南北朝時代初期にかけて博多で活躍した刀工で、「左衛門三郎」の略と伝わる「左」の一文字を銘に切ることから、その名で呼ばれてきた。左衛門三郎はそれまでの直線的な刃文の地味な作風から、刃文が波打ち、くっきりと浮き立つように見える華やかで洗練された作風へと転換。以後、門弟に継承され、全盛期を築いた。

 特別展では、江雪、太閤の小松コレクションの両左文字をはじめ、先達や門弟ら一門の名刀計46本を集めた。うち3本が国宝で、11本が重要文化財に指定されている。重文のうち、「名物義元左文字」と呼ばれる刀(京都・建勲神社蔵、京都国立博物館寄託)は、1560(永禄3)年の桶狭間の戦いの際、織田信長に討ち取られた今川義元が所持していたものであることが金象眼で刻まれている。

 会期中無休。1千円。高校生以下無料。11月24日は刀剣が専門の原田一敏館長による記念講演会がある(聴講無料)。問い合わせは同美術館(084・932・2345)へ。(広津興一)