故郷の青森を舞台にした数多くの著作で知られる直木賞作家の長部日出雄(おさべ・ひでお)さんが18日、虚血性心不全のため死去した。84歳だった。葬儀は親族で営んだ。喪主は妻真知子さん。

 青森県弘前市生まれ。早大文学部中退後、週刊誌の記者になり、テレビ番組の構成などを手がけたのち小説家に。73年に「津軽じょんから節」「津軽世去れ節」で直木賞、87年に「見知らぬ戦場」で新田次郎文学賞、02年の「桜桃とキリスト もう一つの太宰治伝」で大佛次郎賞と和辻哲郎文化賞を受賞した。同郷の棟方志功らの評伝も執筆した。

 映画通でも知られ、「天才監督 木下恵介」などの著書を手がけた。89年には津軽三味線に情熱を注ぐ若者を描いた映画「夢の祭り」で監督を務めた。ほかに「天皇はどこから来たか」「反時代的教養主義のすすめ」などの著書がある。