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 レギュラーガソリンの価格が、2014年11月以来3年11カ月ぶりに1リットル当たり160円台をつけた。日本エネルギー経済研究所石油情報センターが24日に発表した22日時点の全国平均は、前週より0・4円高い160・0円だった。値上がりは8週連続となる。地域別には21道府県で160円以上となり、秋の行楽シーズンを迎え、車を利用する家庭には痛手となりそうだ。

 原料である原油価格が、米国によるイランへの原油取引の制裁復活が迫る中で高止まりしてきたことが背景にあり、灯油なども値上がりしている。この状況が続けば、特に寒冷地で暮らす人や燃料を多く使う運送業や漁業などの負担が増し、個人消費や企業収益に悪影響を及ぼすおそれもある。

 原油の国際的な指標「米国産WTI原油」の先物価格は9月以降は上昇が続き、今月上旬には1バレル=76ドル台をつけた。今月10日の米国株急落に端を発した世界同時株安以降は下落が続き、いまは66ドル程度で、同センターによると、調達コストが下がった石油元売り各社は小売店に対し、先週末の卸価格は引き下げを通知していた。

 だが、これまでの上昇分を小売価格に転嫁できなかった給油所がその分の転嫁を進め、今週は店頭価格が値上がりしたとみられる。都道府県別では34道府県は値上がりする一方、東京、神奈川、愛知、大阪など都市部を中心に11都府県では値下がりした。元売り各社は今週末の卸価格の引き下げも伝えているもようだ。

 ただ、先行きは不透明だ。今後、原油をめぐる米国の対イラン制裁が11月5日に始まる一方、米中の通商摩擦などで世界経済が減速し、エネルギー需要が伸び悩む可能性もある。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至主任研究員は「石油価格は上昇と下降の材料が綱引きの状態。レギュラーガソリン価格も160円台の前後で高止まりが続く可能性がある」と指摘する。

 サウジアラビア人記者の殺害で、サウジと欧米諸国との関係悪化から原油の供給不安の加速も懸念されるが、芥田さんは「米トランプ政権は同盟国かつ重要な貿易の取引相手であるサウジと事を荒立てたくない。この問題が原油価格に影響する可能性は低いのではないか」とみる。(桜井林太郎)