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 安田純平さんは、中東の紛争地にこだわって取材を続けてきた。04年にイラクで武装勢力に拘束された体験をまとめた著書「囚(とら)われのイラク 混迷の『戦後復興』」では、紛争地に向かう理由を「私は彼らの声を伝えたいと思っているだけだ。武装組織だけでなく、イラクで出会った多くの人々の姿を知ってほしい」と記した。

 また10年には「ルポ 戦場出稼ぎ労働者」を出版した。イラク軍訓練基地などに約10カ月住み込んで料理人として働き、戦地の出稼ぎ労働者の実態や軍事分野で民営化が進む現状を取材したものだ。

 紛争地に関心を向けるようになった契機は、01年の米同時多発テロだ。信濃毎日新聞の記者として働きながら、休暇を使ってアフガニスタンやイラクを取材。03年にフリーに転じてからも繰り返し訪れた。15年に過激派組織「イスラム国」(IS)に殺害されたジャーナリスト後藤健二さんとも親交があった。シリアで拘束中の昨年、一貫して紛争地に入って情報を発信してきたことが評価され、「第4回山本美香記念国際ジャーナリスト賞」特別賞が贈られた。