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 がん手術や交通事故などで失った胸や鼻などを、シリコーンで本来の姿そっくりに作る会社が新潟市にある。「シンワ歯研」(新潟市西区的場流通1丁目)。歯科技工の技術を応用し、人工のボディーパーツ製作に取り組み始めて3年。「失った体の一部を自分でつくれたら愛着を持てる」。そんな声も出てきたことから、乳がん手術後に乳房を再建した人たちを対象に、自分で乳輪・乳頭のパーツを作る講座を27日に開く。

 製作を担当するのは、歯科技工士の本間理恵さん(38)。5年ほど前、取引先の歯科医から、交通事故に遭った患者の「鼻」を作れないかと依頼されたのがきっかけだった。材料は異なるが、型をとって素材を流し、本物に近づくよう色を乗せて模倣させる技術は、入れ歯作りに似ていた。

 「鼻」の依頼を機に、指や耳、胸などのパーツを作る訓練を積み、事業化した。

 本間さんの作るパーツはシリコーン製。専用の接着剤を使って手入れをすると、シールのように何度でも簡単に体につけられる。肌との境界が目立たないようにと、境界部分を薄くしたり、患者の肌の色を見ながら丁寧に色づけしたり。シリコーンに赤や緑の細かい繊維を練り込むことで、毛細血管まで再現する。

 耳を作った客からは「髪が結べるようになった」、乳房を作った客からは「鏡の前に立てるようになった」という声が寄せられた。

 女性からの依頼がほとんどだ。最も多いのは、乳がん切除手術をした患者から。乳房全体の製作依頼だけでなく、乳輪・乳頭のみの依頼も多い。再建手術で乳房の形は取り戻したものの、乳頭の再建は難しかったり費用がかかったりしてあきらめる人もいる。「温泉に行くときに人目が気になるから」と、自分で作りたいという声もあった。

 本間さんは「痛い思いをせず、簡単にボディーパーツを取り付ける方法があることを、もっと知ってもらいたい」と話している。

 27日の講座は午前10時~午後4時まで、同社で行われる。本間さんの指導を受けながら、乳頭の型どりから着色まで体験し、実際に使えるボディーパーツを作ることができる。費用は専用接着剤付きで1万2800円。問い合わせはシンワ歯研メディカルラボ(025・268・7505)。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(加藤あず佐)