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 「『子どもの権利条約』を母子手帳に載せて」。12歳の少女の声に応え、世田谷区が来年度の母子手帳に条約を掲載する。「子どもでも世界を変えられる」という言葉に刺激された区内の坂口くり果さん(白百合学園小6年)が、保坂展人区長に訴え、実現した。

 きっかけは2年前、坂口さんが読んだ「チャレンジ!キッズスピーチ」という本だ。世界には労働を強いられる子どもがおり、子ども自身がその廃絶を訴えたと知って驚いた。本を編集したNPO「フリー・ザ・チルドレン・ジャパン」の事務局は区内にあり、訪ねて活動に加わった。

 キャンプに参加し、「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」を知った。18歳未満の子どもにも大人と同じ基本的人権を認めるもので、医療や教育、生活への支援、意見表明、差別の禁止などの権利を保障する。1989年に国連で採択されて90年発効。日本は94年に批准した。

 アジアやアフリカに貧困に苦しむ子どもがいると聞き「幸せでない子が大勢いるのはショックだった」。日本にも暴力やいじめ、差別にさらされる子がいると気づき、「子どもには安心して生きられる権利がある。多くの人に知ってほしい」と考えた。予防接種のときに母子手帳を目にして「すべての母親が手にする。これに載せたら」と考えた。

 NPOの計らいで夏休みに保坂区長に会えることになった。直接お願いすると「来年度の手帳から載せましょう」と応じてくれた。同区の母子手帳は以前、同権利条約を掲載していたが7年前に取りやめていた。保坂区長は「具体的な提案で素晴らしい。意見表明したことも子どもの権利の行使。よく言いに来てくれた」と感心していた。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/中山由美