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 10月半ばの昼下がり。知多半島の介護老人保健施設、「メディコ阿久比」(愛知県阿久比町)で、男女30人ほどのお年寄りが体操をしていた。肩を回したり、深呼吸をしたり。どこの施設でもありそうな体操だが、独特な点がある。利用者の目の先に、カラオケで映し出された映像があるのだ。映像中の女性の動きにあわせて体を動かすようにできている。

体操やクイズも

 映像を配信するのは、「JOYSOUND(ジョイサウンド)」ブランドでカラオケサービスを展開するエクシング。2013年に高齢者福祉施設などに向けた機器をつくった。体操だけでなく、クイズを出すことや、昔のニュース映像を見せることもできる。コンテンツはいま約800種。月に数本増えている。

 体操を終えた池田正靖さん(83)は「クイズなど、ほかにもいろんな種類があって面白い」。週4日施設に通う内藤明彦さん(70)は「妻がいないので、これを通じて他の人としゃべるのが楽しみ」と笑顔だった。

 「3年前に導入して、職員たちは楽になった」。メディコ阿久比の職員、榊原和真さん(32)はそう語る。独自に体操を行う職員はいたが、人によって内容はまちまち。忙しい仕事の合間に、お年寄りに楽しまれるレクリエーションを考えるのも難しい状況だった。

 カラオケ機器の導入後は、集まったお年寄りの顔をみて、レクリエーションを選ぶため、利用者は飽きにくい。映像を流す間、職員は利用者一人ひとりに声をかけながら進められる。

 利用者の空き時間も、うまく使えるようになった。通所する人は、基本的に6時間ほど施設で過ごす。そのうち3時間ほどを血圧計測やお風呂、昼食、リハビリなどにあてる一方、残り3時間はたいてい空き時間。暇を持てあます利用者も少なくなかった。

 エクシングでこの事業に取り組む坂本辰夫・エリア営業部長は、「高齢化が進む中、いかに最後まで元気に生きるかがテーマ。カラオケという身近なコンテンツを認知症予防などに役立てたい」と話す。

■新たな用…

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