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 北九州市門司区の砂防施設の底に転落して脱出できなくなっていた2頭のイノシシのうち、残っていた1頭が27日午後、施設を管轄する福岡県と北九州市の職員が仕掛けたわなで捕獲され、山に放たれた。

 近所の住民が12日に転落しているのを発見し、北九州市などに救出を求めていた。県と市が協力して、26日に金属製のケージ(小型のおり)にエサを置き、イノシシが中に入ると扉が下りるわなを仕掛け、2頭のうち1頭を捕獲。山に放った。残る1頭は扉が下りる寸前にわなから逃れていた。

 27日は午前10時過ぎから職員3人がケージの中にエサを置くなどして、わなを設けた。イノシシはケージに近づき、においをかいでは遠ざかる動作を繰り返していたが、徐々に警戒心をとき、半身を入れてエサを食べるようになった。

 午後0時45分ごろ、全身を入れてエサを食べ始めて数秒後にわなが作動。扉が下りてケージに閉じ込められた。その後、職員が10人がかりでケージごと高さ約6メートルのコンクリート壁の上へと引っ張り上げた。扉を開けると、イノシシは勢いよく飛び出し、山へと駆けていった。

 イノシシが捕獲される様子を見学していた近所の西川和已さん(65)は「ゴミ置き場が荒らされることもあるが、イノシシの生命は助けてもらいたかった。山に戻ったら人里に下りて悪さしなければ良いのだが」と話した。(吉田啓)