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 高齢化が進む中、災害が起きた時の福祉避難所の役割が大きくなっている。受け入れられる施設は増えているが、人手の確保や住民への周知など運営面に課題が残る。福祉避難所にとどまらず、一般の避難所の福祉機能を充実させる、在宅の災害弱者に目を配るなど、地域全体の多様な取り組みも問われている。

 紀伊水道に面した和歌山県有田市は9月、台風21号と24号に襲われた。市は文化福祉センターに福祉避難所を開き、簡易ベッドと間仕切りの段ボールを設置。職員と保健師計3人で運営し、24号では高齢者や障害者ら約40人が避難した。

 持病のある男性に1時間ごとに声をかけ、2~3時間おきに2人がかりでトイレの介助をした。介護が必要な女性らの様子も見て回った。そこへグループホームから「認知症の10人を受け入れてもらえないか」と打診された。結局、避難して来なかったが「手いっぱいで受け入れられる状態ではなかった」と振り返る。

 市は福祉避難所に保健師を2人ずつ8時間交代で配置することにしているが、保健師は約10人で、開設数を増やすのは難しい。一方、避難行動要支援者は約1300人。担当者は「他の医療専門職もシフトに入ってもらわないと、十分な態勢がとれない」と悩む。

 人口約230万人の名古屋市。避難行動要支援者として約28万5千人が登録されている。市は9月末までに福祉避難所を121カ所指定したが、収容可能人数は全体の2%弱の約5千人にとどまる。市は「福祉避難所の利用は、障害などで避難所生活が本当に難しい人に限ってほしい」と訴えている。

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