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 お年寄りや障害者など災害時の避難生活で配慮が必要な人を受け入れる福祉避難所。9割超の市区町村が管内に1カ所以上の施設を指定しているが、収容可能人数は国が求める必要数に追いついていない。47都道府県に対する朝日新聞のアンケートで分かった。人手不足や周知のあり方など運営上の課題も多い。

 4年前に実施した同様のアンケートでは1741市区町村中、法律に基づく指定は1279(73・5%)。今回(17年5月~18年10月時点。東京都は13年6月時点)は指定や協定も含めて1659(95・3%)まで増加していた。

 ただ福祉避難所を利用する可能性がある対象者数と収容可能人数を集計している28府県のデータを分析すると、収容できるのは対象者数の1割強だった。いずれの数も流動的だが、内閣府は在宅難病患者や妊産婦などの概数を把握し、その数に合わせて福祉避難所を指定するよう求めている。

 また課題を選択式(複数回答可)で尋ねたところ、「開設後に必要な物資・機材の確保」は28府県、「高齢化による対象者の増加」は24府県、「その他」として、開設後に必要な支援員の確保を19道県が挙げた。

 福祉避難所について、内閣府は情報を広く住民に周知するようガイドラインで示している。北海道地震では札幌市が、開設した場所や施設名を広く公表しておらず、議論を招いた。今回のアンケートでも「多くの住民が集まって必要な人が利用できなくなる恐れがある」と複数の自治体が周知の難しさを挙げている。

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 〈福祉避難所〉 高齢者や障害者、妊産婦、乳幼児、在宅難病患者など特別な配慮が必要な「要配慮者」向けの避難所。阪神大震災後の1997年、体調の悪化や関連死を防ぐ目的で、災害救助法に基づく指針に盛り込まれた。市区町村が高齢者施設や宿泊施設などから指定し、運営する。原則、耐震化された耐火構造の建物で土砂災害の危険性がないことやバリアフリー化などが条件。内閣府は要配慮者約10人に対し、支援員1人の配置を求めている。