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 米ペンシルベニア州ピッツバーグのシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所)で11人が犠牲になった銃撃事件を受け、礼拝所近くで28日、追悼式典が開かれた。様々な民族や宗教の人々が参列し、犠牲者を悼んだ。銃規制を求める声も上がった。

 式典ではユダヤ教の宗教指導者らが話す中、家族や友人と肩を組んだり、すすり泣いたりする人々の姿が見られた。ピッツバーグ市のビル・ペドゥート市長が「私たちが反ユダヤ主義や、あらゆる人々に向けられる憎悪をネット空間に押し戻すのです」と演説すると、総立ちになった参列者から拍手が送られた。

 地元イスラム組織のワシ・モハメド事務総長は、2001年9月の同時多発テロで「反イスラム」の憎悪が米国に広がった際、地元コミュニティーの支援に助けられたことに感謝を表明。その上で、今回の事件の遺族らを支援する呼びかけに対し、既に7万ドル(約784万円)以上が集まったと報告し、会場から大きな歓声を浴びた。

 11月6日に中間選挙が迫る中、銃規制を求める声も出た。ユダヤ教の宗教指導者は、憎悪の言葉が渦巻く米社会に変化をもたらすのは市民一人ひとりだと演説。会場からは「(中間選挙で)投票しよう」とコールが起こった。立ち上がって声を張り上げていた社会福祉士ダイアン・ワトソンさんは、「銃乱射事件が起こるたびに『半自動ライフルはいらない』との声が上がるが、実効的な規制は進まず、今回も使われた。銃規制に本気で取り組む候補者に投票する」と述べた。

 一方、行政当局は28日、犠牲になった54~97歳の11人の名前を発表。犠牲者の一人で医師のジェリー・ラビノウィッツさん(66)に20年来、診察を受けていたというカレン・デンバーグさん(61)は「非常に優しく、すばらしい医師だった」と言葉を詰まらせた。(ピッツバーグ=金成隆一、杉山正)