[PR]

 大阪府藤井寺市の大阪緑涼高校の男性教頭(当時53)が自殺したのは極度の長時間労働と上司によるパワーハラスメントが原因だとして、男性の遺族は近く、同校を運営する学校法人谷岡学園に計約1億2千万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こす。

 遺族側代理人の松丸正弁護士は「教頭は上司の指示を受ける一方、現場では過大な責任を1人で背負わされる。過労死の典型である長時間労働やパワハラと結びつきやすい」と話す。

 遺族側によると、男性は2015年度から教頭に就任。今年3月末に教職員の懇親会に参加後、校内で自殺した。教頭に就任以降、月~土曜はほぼ毎日午前6時半に出勤し、午後10時に帰宅。亡くなる直前1カ月間の時間外労働は、厚生労働省が過労と精神障害の因果関係を認める160時間を大幅に超える215時間だったという。

 さらに、男性の自殺を受けて学園側が実施した特別監査の報告書によると、今年4月から就任が内定していた新校長や事務局長から1日に何度も打ち合わせに呼ばれるなど「高圧的で必要以上に細かい指摘」が頻繁になされ、会議中に号泣するほど男性は感情が不安定になっていたとされる。

 遺族側は「長時間労働や校長による限度を超えた指導で精神障害を発症し、自殺に追い込まれた」とし、学園側が過労やパワハラを防ぐ義務を怠ったと主張して、慰謝料3千万円などを求めている。

 学園側は「提訴について把握しておらず、コメントできない」としている。学園は大阪府と兵庫県で大阪商業大など大学や高校、幼稚園を運営している。(畑宗太郎、山崎毅朗)