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 東京電力で社長や会長を務め、福島第一原発の事故をめぐって業務上過失致死傷罪で強制起訴された勝俣恒久被告(78)が30日、東京地裁で被告人質問に答えた。改めて無罪を主張し、「社長は万能ではない」と釈明する姿に、傍聴人からは「責任逃れ」との声もあがった。

 「当時は津波よりも地震対策を優先していた」「(すべての仕事を社長が把握しろというのは)不可能に近いことだ」――。

 被告人質問は午前11時ごろから、休憩をはさみ4時間余り続いた。1963年に東電に入社し、経営畑を歩んで従業員3万8千人のトップに立った勝俣氏は細身の体をまっすぐ伸ばし、言いよどむことなく説明を続けた。

 傍聴席がざわつき始めたのは午後に入り、質問者が検察官役を務める指定弁護士に代わってからだ。

 公判での大きな争点は、国が2002年にまとめた地震予測「長期評価」と、東電子会社がこれに基づいて08年に算出した「最大15・7メートル」の津波予測の評価だ。これまでの法廷では、「長期評価に基づく対策が了承された」という東電の社員らの証言と、「信頼性がなかった」という被告らの主張がぶつかってきた。だが、勝俣氏は長期評価の存在を知ったのは「3・11(東日本大震災)からだいぶたった後」と説明。傍聴席からは「えっ」と驚きの声が上がった。

 「津波対策は原子力・立地本部がしっかりやってくれていると思っていた」と繰り返した勝俣氏。指定弁護士の石田省三郎弁護士が「最終責任は最高責任者にあるのでは」と追及すると、「そういう風に言えるのか……万能ではありませんので」と口ごもった。

 最も感情をあらわにしたのが、原発事故で死亡した被害者を代理する海渡雄一弁護士とのやりとりだ。

 「最大15・7メートル」の津波予測が公表されず、対策に生かされなかった経緯について海渡弁護士が「(試算を)隠し持っていた」と追及すると、勝俣氏は「隠し持ってたわけじゃなくて、試算値ですよ。試算値で騒ぐのはおかしい。15・7メートルに、どの程度の信頼性があるのかに尽きる」と色をなして反論した。

 長期評価についても、「証人た…

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