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 入会すると言ってないのに会員になっていたり、活動を強制されたり――。学校PTAの運営の問題点が指摘される中、大津市教育委員会が望ましい運営方法などを示した校長ら向けの「手引き」を作った。PTAは学校と別団体のため、教委が介入しないのが一般的だが、同市教委は「先生も会員として参加しているため、対応の必要がある」と異例の判断をした。

 市民からのPTAに関する苦情が作成につながったという。手引きでは全員を自動的に会員として扱う「強制加入」や、役員など負担の重い役割を希望しない人に強いる「役員の強制」など7項目について、理想的な形や違法になる可能性がある具体例などを示した。

 「強制加入」では、入会したい人に届を出してもらう形を理想形とする一方、入会を個人の自由だと説明していない例を挙げ、「結社の自由」を保障した憲法21条違反など、違法性が問われる可能性があることを示した。「役員の強制」については、出席していない会員に役員を割り当てる決め方や、免除して欲しい人に家庭の事情や病気の情報を公開させるなどの手法について、「人権問題になりかねない事態も見受けられる」と指摘。押しつけではなく、負担感の少ない活動を模索し、立候補などで決めることを推奨している。

 また、PTAの会員でない子どもへの配慮にも言及。会費で買った卒業式のコサージュや証書入れの筒などを非会員の子どもに配ることなどへの「ただ乗り」批判を念頭に、「PTA活動は学校に通う全ての子どもたちのためで、会員の子どもたちのためではありません」と明記した。(田中聡子)

大津市教育委員会が作成した「PTA運営の手引き」(一部抜粋)

【強制加入の問題】

○レベル2:明確な意思表示

 会長らが入会時(入学説明会など)に、各会員から入会届を取得する

○レベル1:消極的な意思表示

 入学説明会などで、PTAの必要性と任意性について説明の上、「基本的にみなさんに加入していただきたい。加入できない場合は、いつでも脱会届などで手続きしてください」と説明する。

○レベル0:会員が意思表示する機会がない

 加入の必要性と任意性について説明の上、「皆さん会員になっていただきます」と説明しただけでは、本人の同意を得たとは言えない。

○レベル▲:任意性の説明なし

加入の任意性を説明していない。

【役員の強制の問題】

○レベル2:本人の意思に基づく役員選考

 立候補制度などを活用する。

○レベル1:選考方法、過程の見える化

 事前に選考方法や過程を明らかにし、配慮が必要な会員に対しては個人情報の保護を徹底する。

○レベル0:押し付け合い

 「あの人にさせたらいい」など、他の会員に押し付ける。

【未加入者の子どもへの教育的配慮】

 PTAは学校などに通う全ての子どもたちのための活動で、会員の子どもたちのための活動ではない。PTA会費も「全ての子どもたち」のために使われるもので、会費を払っていない保護者の子どもであっても、PTAが贈呈するものを受け取れないということはない。

「レベル2」…理想的なレベル

「レベル1」…最低限守るべきレベル

「レベル0」…改善の必要なレベル

「レベル▲(マイナス)」…違法性を問われかねず、早急な対応が必要なレベル