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 東海・関東地域で医療機関を展開する医療法人「偕行会(かいこうかい)」グループ(本部・名古屋市)が、重要な議題を決める社員総会や理事会を開いていないのに議事録を偽装して作っていたと、元職員が愛知県に告発していたことがわかった。法人を監督する県に対して毎年度、こうした理事会などが開催されたとして報告していたという。県は1日、同グループに立ち入り調査に入った。

 医療法は経営の透明化を目的に、医療法人に各年度ごとの事業報告書を都道府県に提出することを求めている。報告書には議事録をもとに、理事会などの開催日や決められた議案の一覧が記載される。虚偽の報告をすれば、20万円以下の行政罰が科される。

 同グループは複数の法人で構成されている。告発内容などによると、各法人は少なくとも2017年3月以前、理事会などの議事録の作成をグループ本部の総務部にメールなどで依頼していたという。あるメールには「手形借入をしますので、下記内容の議事録をご準備頂けますでしょうか」と書かれ、銀行からの借り入れ条件や金額などが記されていた。

 総務部の担当者は、そうした内容に沿って議案を作ったり、前年度のものをコピーしたりして議事録を作っていたとしている。開催日や時間は出席者のスケジュールを確認して不都合がない日時を設定したり、議事録を受け取った法人側が入力したりしていたという。

 こうして作られた議事録には、銀行からの借り入れのほか、事業計画や予算の承認、幹部の解任などの議決が記されていた。

 偕行会グループはこれまでの朝日新聞の取材に「実質上の審議・議決により対応していた。各理事・社員・評議員から異議はなく、実質的には手続き的に問題なく運用されている。(現在は)取り扱いをさらに厳正化し、理事会・社員総会・評議員会を開催し、より適正化に努めている」と回答した。

 愛知県医務課の担当者は1日、「内容が事実であれば、医療法人運営に問題があり、指導・処分の対象となりうる」と話した。

 同グループをめぐっては、14年の衆院選の際に工藤彰三・国土交通政務官(自民)や岡本充功・元厚生労働政務官(国民民主)の選挙運動に勤務中の職員を派遣していたことがわかっている。(竹井周平、堀川勝元、沢伸也)