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【アピタル+】患者を生きる・胃を切って(AYA世代への対策)

 連載に登場した宮城県大崎市の小玉仁志さん(34)が胃がんとわかったのは24歳のときでした。「AYA(アヤ)世代」と呼ばれる若い世代のがん患者は割合が少なく、情報の少なさが課題になっています。国立がん研究センターの若尾文彦・がん対策情報センター長と、松田智大・全国がん登録室長に対策を聞きました。

――小玉さんはがんになった2008年のとき、同年代の患者について情報の少なさを感じたそうです。

 若尾 20代で胃がんにかかる患者さんは多くありません。若いときにがんと言われるのはショックだったと思います。当時はAYA世代(主に15~39歳の患者)という言葉も、まだ知られていませんでした。特に結婚や仕事、学業をどうするかはAYA世代独特の課題です。がん対策情報センターは2006年に発足し、ウェブサイト「がん情報サービス」(https://ganjoho.jp別ウインドウで開きます)で情報を発信していますが、若い世代の患者さん向けの情報発信は、まだしっかりと対応できていません。

 松田 10代から30代のがん患者は全年代の中で少ないです。数が少ないから、情報も少ないです。AYA世代は、成人と小児の間で取り残されがちでした。そこで、国立がん研究センターでは16年に「全国がん登録」を始めました。がんと診断されたすべての人のデータを国で一つにまとめる仕組みで、患者さんががんになった時の情報が、ほかの患者さんの将来の役に立ちます。最新の情報は、がん対策情報センターのウェブサイト「がん登録・統計」(https://ganjoho.jp/reg_stat/別ウインドウで開きます)で公開しています。

――小玉さんはがん対策情報センターの情報発信の仕事を手伝ったことがあるそうです。

 若尾 小玉さんは2014~15年、「患者・市民パネル」に参加していただきました。がん対策情報センターの発信する情報が、患者さんにとってわかりやすいか、患者さんの視点にたった表現になっているか、意見を聞くために設けられたものです。がんの種類や地域、年代が偏らないよう全国から100名の方に参加いただいています。

 松田 小玉さんとは患者・市民パネルの打ち合わせでお目にかかりました。年に2回、公式の打ち合わせがありますが、そのほかメールやネットによる活動で、地域の方も参加しています。がん対策情報センターのホームページに説明がありますので、興味を持たれた方は参加を検討していただければ幸いです。

 ◇ご意見・体験は、氏名と連絡先を明記のうえ、iryo-k@asahi.comメールするへお寄せください。

<アピタル:患者を生きる・食べる>

http://www.asahi.com/apital/special/ikiru/(聞き手・小堀龍之)