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(3日、プロ野球日本シリーズ ソフトバンク2―0広島)

 ソフトバンクの工藤監督は、短期決戦を知り尽くしている、と言っていい。現役時代に西武と巨人などで日本一を経験し、ホークスの監督でもこれで3度目。左投手として「優勝請負人」と呼ばれてきた男の勝負勘が、今ポストシーズンでさえた。

 日本シリーズ第1戦。先発の千賀を四回で見切り継投策へ。2番手は今季途中まで先発の武田。継投のカードを次々と切れるのが強み。延長十二回まで惜しみなく投手を投入し、重要な初戦を敵地で引き分けた。

 1点がより試合を左右する短期決戦は、継投がカギの一つ。武田と今季13勝の石川という長い回を投げられる2人を「第2先発」で中継ぎに配置し「先発が崩れたら、すぐにスイッチできる」(倉野投手統括コーチ)態勢をシーズン中から整備。昨季、絶対的守護神だったサファテの穴を全員で埋める態勢を整え、ポストシーズンに臨んでいた。

 攻撃面でも動いた。負傷離脱の内川や今宮をポストシーズンで復帰させ、士気を上げた。今季一度も首位を譲らなかった西武とのクライマックスシリーズ(CS)最終ステージ(S)第3戦。不振の松田宣を先発から外した。打線が機能し16安打15得点の圧勝で最終S突破の足がかりにした。

 日本シリーズ第5戦では、内川にホークス加入後初めて犠打のサインを決行。執念のタクトでサヨナラ劇につなげた。情を排し、日本一を見据えた勝負師としての手腕が光った。(甲斐弘史)