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 米アップルが1日に発表した2018年7~9月期決算で、iPhone(アイフォーン)の売り上げが前年同期比3割増になった。一方、販売台数は横ばいで、単価が上がり高級路線が鮮明になったが、顧客が限定されつつある面も浮かび上がった。同社は次回の決算発表から販売台数の公表をやめることも明らかにし、米市場では波紋も広がっている。

 「iPhone XS(テンエス)と、XS Max(マックス)の立ち上げは非常にうまくいった」

 アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は1日、7~9月期決算の電話会見で最新機種の消費者の反応を評価した。

 「XS」と「XS Max」はアップルが9月21日から日米などで発売を始めたばかりだ。7~9月期決算への影響はまだ小さいが、既存機種の「iPhone 8」や「8プラス」、「X(テン)」が好調さを持続しているという。

 7~9月期に売れた台数は全世界で約4689万台に上る。前年同期と比べると、0・45%増えただけで横ばいだった。ただ、売上高は前年同期比で29%増と高い伸びを示した。

 その意味は、1台当たりの販売価格で比較すると明白だ。昨年7~9月期には、平均約618ドル(約6万9800円)だった価格が、今年7~9月期には793ドル(約8万9600円)へと跳ね上がった。売れた台数がほぼ同じでも、単価が高いことで売上高は大きく伸びた。

 14年末からの販売台数で見ると変化はよりくっきりと見える。同社は14年10月~15年9月は2億3100万台余りを売ったが、17年10月~18年9月の販売は2億1700万台余りだ。15年9月当時の新機種「6s」は約650ドルからだったが、今年9月発売の「XS」は999ドルから。こうした高価格路線で、台数が伸び悩む一方で、売上高は増えているのだ。主要国での売り上げが好調な一方で、より低価格な機種が好まれる新興国での今後の成長には不安も残る。

 こうしたなかで、アップルは1日、次回の10~12月期の決算発表から販売台数の公表をやめることを明らかにした。アナリストから「あまり良くないことは明かさないのか、と思う人もいるのではないか」という質問も出たが、アップル側は「販売台数はかつてほど(業績を示す)適切なデータではなくなっている」と繰り返した。

 アップルの7~9月期決算は、売上高が前年同期比19・6%増の629億ドルで、純利益は同31・8%増の141億2500万ドルとなり、7四半期連続の増収増益となった。(サンフランシスコ=尾形聡彦