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ミックスゼリー(税別1000円)

 豊橋、田原は寒天ゼリーの一大産地。1915(大正4)年創業の「杉本屋製菓」のサイトには、「大正8年 自店営業のかたわら、ゼリーの元祖たる『鈴木菊次郎商店』の商品の販売にあたる」とありました。ゼリーの元祖・鈴木菊次郎?

 その味を直接引き継いでいるのは田原市の鈴木製菓。32(昭和7)年に菊次郎さんが事業を手放した時に譲渡されたのが、菊次郎さんのゼリー工場で働いていた初代・鈴木道生(みちなり)さん。現在は4代目の健造さんが当時のままの味を守っています。最大のポイントは、岐阜県恵那市山岡町の糸寒天を使っていること。溶かす手間がかかりますが、しっかりとした歯ごたえの半面、口溶けの良いのが特徴です。そしてなんとも郷愁の「オブラート」。

 田原市史によれば、菊次郎さん発明のオブラートにより、寒天ゼリーの包装が可能になり、多くの会社が競って製造するようになったと。寒天ゼリー王国を築いた祖と言われるゆえんです。今でも昔ながらにひとつひとつオブラートで包み、セロハンで“ひねり包装”を続ける鈴木製菓。この手作業をまねすることは難しいのです。

採取地

JAあぐりパーク食彩村

(愛知・豊橋)

0532・21・3901

デジタル余話

 東三河で見かける懐かしい昭和の香りの寒天ゼリー。最初は、「地方都市はお年寄り向けの懐かし系が多いのかしら?」と思っていたのですが、違いました。こんな、壮大な歴史を秘めていたなんて。気になったら調べてみるというのは、本当に大事だなと再認識。オブラートの発明については、昔のことすぎてはっきりしませんが、菊次郎さんから譲渡された静岡のオブラート会社は現存しているということです。

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 菅原佳己(すがわらよしみ) スーパーマーケット研究家。著書に「日本全国ご当地スーパー掘り出しの逸品」など。

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