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 米政府は2日、トルコが長期拘束していた米国人牧師の釈放を求めてトルコの2閣僚に科していた経済制裁を解除した。これを受けトルコ政府も同日、米国の2閣僚に対する経済制裁を解除した。この問題をめぐっては、北大西洋条約機構(NATO)の同盟国同士で制裁をかけ合う異常事態に発展したが、牧師の釈放により、関係改善に向けた具体的な措置が取られることになった。

 牧師は、トランプ米大統領の大きな支持基盤であるキリスト教福音派のアンドルー・ブランソン氏。テロ組織支援などの罪に問われて2016年10月からトルコで身柄を拘束されていたが、今年11月の米中間選挙を前にトランプ氏はトルコ政府に釈放を要求。米財務省は8月1日、拘束で主導的な役割を果たしたとして、トルコの内相と法相に経済制裁を科した。トルコ側も米国の司法長官と国土安全保障長官に同様の措置をとった。

 さらに米政府はトルコに対し、鉄鋼・アルミ製品を対象とした追加の関税措置に踏み切ると発表したことから、トルコの通貨リラが急落し、経済危機に見舞われた。こうした中、トルコの裁判所は10月12日、ブランソン氏に禁錮刑を言い渡す一方で、未決勾留日数を考慮して自宅軟禁を解き、出国も認めたため、直後にブランソン氏は米国に帰国した。(イスタンブール=其山史晃)