[PR]

 ウィリアム・ガウランド(1842~1922)という英国人がいる。明治維新後、大阪に新設された造幣局に「お雇い外国人」として招かれた技師で、各地の古墳を調査した考古学者でもあった。

 明治大学博物館(東京)の特別展「ウィリアム・ガウランドと日本の古墳研究」(同館主催・朝日新聞社後援、12月2日まで)を見た。ガウランドは日本で考古学に関心を持ち、数百基の古墳を調査した。技術者らしく調査法は合理的で、墳丘や石室の正確な図を作り、写真を撮影。石室の発掘では、床のどこで何が出土したかを細かく記録した。収集資料は帰国後、大英博物館に収められた。

 古代の天皇や皇族の墓とされる陵墓古墳にも強い関心を持っていた。日本最大の横穴式石室を持つ奈良県橿原市の丸山古墳を天皇陵だと推定し、墳丘や石室の図面を残している。一方、同市にある初代の神武天皇陵とされる古墳が、小さな方墳であることにも疑問を呈していたという。ガウランドが日本の研究者ともっと交流を持っていたなら、いまでは考古学的に疑問が持たれているものも多い天皇陵の指定は、変わっていただろうか。

(編集委員)

こんなニュースも