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 トランプ米大統領がイランの核合意から一方的に離脱して半年。イラン産原油に対する禁輸制裁が5日に再開する。イランは合意を支持する国際世論を頼み、「トランプ後」まで持久戦の構えだ。日本は輸入を停止済みだが、ガソリンや灯油価格が高騰するなか、今後の情勢次第では更なる悪影響が出る可能性がある。

 イランの首都テヘランでは4日、旧米国大使館前に学生ら数千人が集まり、星条旗を燃やすなど、米国の制裁再開に抗議した。

 保守強硬派が占める精鋭部隊・革命防衛隊のジャファリ総司令官は演説で「米国は制裁で経済的、精神的にイランへの戦争を仕掛けている」と主張。参加した主婦ファテメさん(37)は「制裁は生活に打撃を与えているが、私たちは耐えることが出来る」と語った。

 制裁の再開が、歳入の約6割を原油輸出で得るイランを追い詰めるのは確実だ。過去の原油制裁では財政収入の柱を断たれて国内経済が大打撃を受け、インフレ率が35%に上昇した。企業や工場の閉鎖が相次いで失業者が急増。政府が核交渉に乗り出す契機になった。

 ロイター通信などによると、10月第1週のイランの原油輸出は日量110万バレル。イランが、米国の制裁の影響を考慮して試算した150万バレルより2割以上減り、2015年の核合意を受けて16年に制裁が緩和されたが、その直前の水準以下にまで落ち込んでいる。

 米国は日本など8カ国・地域に最長180日間、イラン産原油の禁輸の猶予を認めたが、延長はしない方針で、いずれは取引がゼロになる見通しだ。制裁下でも中国やインドなどへの輸出を見込んできたロハニ政権からは、「最悪で日量100万バレル以下になる恐れもある」との声が出る。

 ただ、イランは英仏独中ロをはじめ、核合意の維持を望む日本などの国際世論を背景に、トランプ氏との持久戦に持ち込む考えだ。イラン政府関係者は「トランプ政権が交代すれば局面が変わるはずだ」と言う。

 すでに制裁を逃れるため、英仏独や欧州連合(EU)と対策を協議。共同で「特別目的事業体」(SPV)という組織を作り、取引に米ドルや現金を使わず、技術協力などを対価とする方法を模索する。イラン政府関係者によると、先月には関係国でSPVの全容を公表しない方針を確認。この関係者は「中身が公になれば、米国が邪魔をしようと対策を講じるからだ」と説明する。

 また、港湾関係者によると、10月以降、イランの主な原油積み出し港を発つ原油タンカーの一部が、船舶の現在地や航路を示すシステムを作動せずに運航しているという。米国が航路を追跡できぬようにして取引継続を図る狙いがあるとみられている。(テヘラン=杉崎慎弥

■トランプ氏、選挙控…

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