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 国の名勝、旧関山宝蔵院庭園(新潟県妙高市関山)で、庭園に引いた湧き水を滝に流す「滝石組(たきいしぐみ)」の復元工事がほぼ完成し、妙高市教育委員会が4日、一般公開した。宝蔵院が明治時代に廃寺となったため荒れ果てていた庭園の、妙高山を借景とする江戸期の景観が約150年ぶりによみがえった。

 宝蔵院は関山神社北側にあった天台宗の寺で、室町時代の連歌師・宗祇が庭を賛美した作品が残る。江戸時代には幕府の保護を受け、妙高山を含む一帯を支配した。しかし、明治政府の神仏分離政策で廃寺となると、庭園も放置され、石組みの一部が崩れるなどしていた。

 今回の復元工事は2016年度から始まり、滝石組による約5メートルの滝を含む約4千平方メートルの庭園が整備された。事業費は約1億8千万円で、20年度までにさらにあずま屋なども復元する予定だ。市教委によると、庭園は写真などの当時の資料が残っておらず、文書や専門家の助言などをもとに石を組み直したという。

 庭園から望む妙高山は、院主が住む寺坊内からしか見えなかったともいわれる。学芸員の佐藤慎さんは「領主や宗教的な支配者としての院主の権威を誇示した庭、独占していた景観が復元できた。妙高山一帯を治めた寺院勢力があった史実と、地域が誇る宝を知って欲しい」と話す。庭園は11月末まで見学できる。問い合わせは同課(0255・74・0035)へ。(松本英仁)