【動画】米作りの初心者らがアイガモ農法に挑戦した=福野聡子撮影
[PR]

 京都市最北端にある左京区久多(くた)。市内中心部から車で約1時間、山々に囲まれた小さな集落です。この夏、ある田んぼに、かわいい姿の米作りの助っ人たちが泳ぐ姿が見られました。地元以外の人が主に参加する「久多コメ作り体験グループ」のアイガモ農法の取り組みです。米作りの作業に加え、毎日のカモの世話、そして今年は豪雨や台風にも見舞われ……。この春からのチャレンジを見つめました。

経験者の農家を訪ねて

 「久多コメ作り体験」の取り組みには今年、30代~60代の6組7人が参加。ほとんどが米作りの初心者です。

 最初にどんな米を作りたいか話しあった際、「せっかく自分たちの手で作るのだから、できるだけ農薬や肥料を使わずに」「特徴のある米を」という声が上がり、アイガモ農法の案が浮上。アイガモは田んぼの雑草を食べ、脚で泥をかき回すので、雑草がはびこりにくい、といいます。ただ、久多では誰もやっていません。

 経験者に話を聞こうと、4月ごろ、市内のアイガモ農家を訪問。田んぼで獣に襲われて命を落とすカモも多いなど、ハードルが高いことを知りました。でも、25年ほど続けているベテランのアイガモ農家から「分からないことは何でも聞いて」という力強い言葉をもらい、思い切って挑戦することに。グループの参加者でギャラリーに勤める塩田京子さんは「農業にとって1年は貴重。とにかくやってみようと思ったんです」。

 まずは小屋作り。経費を抑えるために廃材主体で製作。要らない木製パレットをもらってきて解体し、小屋に組み立て直しました。窓には、イタチにもかみ切られにくいというステンレス製の焼き網を活用。出費は計6千円程度で済みました。けれど、何事も初めての経験です。犬小屋程度の小さな小屋を作ってしまい、新たに作り直すなどの「模索」も。

元気に除草デビュー

 田植え後の6月1日、アイガモのひな42羽が大阪・松原市のアイガモ業者から久多に到着しました。田んぼに移るまでは、グループの事務局を務める市北部山間かがやき隊員・南佳孝さん(34)が世話を担当。その頃、南さん宅を訪ねると、玄関でひなが身を寄せ合って、ぴよぴよと鳴いていました。山里の夜は肌寒く、生まれてまだ数日のひなたちにはヒーターが必須。南さんは、弱そうなひなを見つけ、手で包むようにして温めてあげていました。

 ひなたちは、田んぼに獣害防止…

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら