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 ご本人が通い慣れた場所で人生の最期までお世話したい――そんな思いから、藤枝市岡部町羽佐間でデイサービスを運営するNPO法人「タートルエイト」の小川憲辺さん(51)が、自作の12曲を収めたCDを発売した。売り上げをデイサービスの隣に建設予定の老人ホームの資金にあてる。

 里山のふもとにある民家を改装したデイサービスには70~90代の約30人が通う。小川さんは2000年に静岡市駿河区丸子でデイサービスを始め、11年に岡部に移ってきた。利用者は静岡、藤枝両市の双方にまたがる。付近には高齢者の入所施設は少ない。家族の事情などで自宅でみられなくなれば、まち中の施設に入所せざるを得ない。すなわちデイサービスには来られなくなる。7年間に十数人が、こうした理由で“卒業”していった。

 スタッフも利用者も家族のようなアットホームな雰囲気。重い認知症のカツオさん(85)はスタッフに勧められて、マイクを握り、朗々と唱歌を歌った。先日、大人数の施設にショートステイに行った時は落ち着かず、「徘徊(はいかい)のおそれがある」と家に帰されたという。数分前の会話を忘れるシナさん(90)は、庭の草取りでは誰よりも早く丁寧だ。「みなさんと会話ができて毎日楽しい。ずっとここにいたい」

 小川さんは介護の仕事を始めた…

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