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 群馬大など5大学の研究グループは、糖の摂取時に肝臓が分泌するホルモンの作用で過剰な糖の欲求を抑える脳の仕組みの一部を解明したと、5日発表した。将来的には糖尿病や肥満症などの治療法の発展が期待されるとしている。2日付の英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」(電子版)に掲載された。

 研究の中心を担った群大生体調節研究所の佐々木努准教授(神経科学)らの研究グループは、5年前から糖に対する意識下の欲求の仕組みを調べた。細胞実験や、実験用のネズミに普通のエサと糖分の多いエサを食べ比べさせるなどの実験をした。

 この結果、①糖分を摂取したときに肝臓から分泌されるホルモン「FGF21」が、脳の視床下部の神経から生じる神経伝達物質「オキシトシン」に作用し、糖への欲求を抑える②同じ神経の細胞内にある長寿遺伝子「SIRT1」が、FGF21のオキシトシンへの働きを強める――という2点を明らかにした。

 科学的には、FGF21やオキシトシンがそれぞれ糖への欲求に関わることは知られていた。肥満の人は「糖を食べた」と思わせるFGF21の脳への作用が低下したり、SIRT1の加齢による減少に伴ってより甘いものが好きになったりするという報告もあった。今回の研究で、こうした現象の原因が解明される可能性があるという。

 佐々木准教授は「甘いものの食べ過ぎで起こりやすい肥満症や糖尿病などの治療につながる」と述べ、研究を進める考えだ。

 研究グループは群大のほか、富山大、名古屋大、大阪大、自治医科大(栃木県)の4大学。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(丹野宗丈)