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 北京市内の裁判所が6日、「飼い主探し」のために公告した柴犬(しばいぬ)の司法競売を中止した。盛んに報道されたことで、米国にいた元の飼い主が名乗り出て、引き取りを約束したためだ。

 柴犬は4歳で名前は「登登(トントン)」。中国メディアによると、4年前、ペットを一時的に預かる市内の民間施設に預けられたが、飼い主からの連絡が途絶えた。2年以上も料金の滞納が続いたため、この施設は飼い主に引き取りに現れるよう同市朝陽区の裁判所に訴えた。

 しかし、飼い主からの反応はなく、裁判所が柴犬を差し押さえ、新たな飼い主探しのために10月25日にインターネットで競売にかけた。

 柴犬の司法競売という異例の展開に加えて、中国でも大人気の「日本柴犬」の愛くるしい姿が相まって大きな話題になり、中国メディアも盛んに報道。2千人以上が競売に申し込んでいた。

 騒ぎを受け、米国に住んでいた元の飼い主が裁判所に連絡したのは10月31日。報道によると、飼い主は「米国に渡ることになったが、施設の連絡先をなくしてしまった」としており、施設から他の人に引き取られたと思い込んでいたという。飼い主が謝罪とともに滞納料を支払ったため、11月10日の入札を前に競売は中止された。飼い主は2カ月以内に米国から引き取りに来るという。

 預かり所の責任者は「犬が飼い主を頼る気持ちは、子どもが両親を思う気持ちと同じ。私たちの方が飼い主より長く一緒にいたから離れがたい気持ちもあるけど、登登にとって一番良い結末」と話した。(瀋陽=平井良和)